そういえば私は一度も、
両親から勉強しなさいと言われたことがありません。
幼少期から体が弱かったので、
ともかく早く寝なさいと言われていました。
長女だから、しっかりしないといけない。
いつも、いいお姉ちゃんでなければいけない。
両親から言われたことはありません。
でも、祖母からはいつもそう言われていたので、
心の中では反発しながらも、
いつの間にか、
その価値観がしみ込んでいたのかもしれません。
台所で寝転んだりしたら、祖母に行儀が悪いと叱られる。
でも偶然、誰もいなかったその瞬間、
ごろんと寝転んだ頭の上に、
天窓から見えた、四角に切り取られたような青いそらと、
光る白い雲が流れていく様子を、
まるで自分の中でシャッターをきるように、
残していたんだなと思いました。
きれいだなと思いました。
青いそらも、きらきら光る白い雲も。
自分の知らなかった、
美しいことが世界にはあるんだな。
漠然とした希望だったのかもしれません。
大阪万博は小学校1年生でした。
昭和40年代後半、オイルショックの前で、
社会はまだ明るい希望に満ちた空気感があったと思います。
「よかった思い出」として、
この切り取った瞬間が出てきたのはなぜか。
引き続き、考えていきたいと思います。
読んでいただいて、ありがとうございます。